給与所得と事業所得は、所得の種類として異なる特性を持つ。以下にそれぞれの違いを説明する。
給与所得
給与所得は、サラリーマンや会社員が勤務先から受け取る給料や賃金などの収入を指す。主な特徴は以下の通りである。
・ 収入源：給与所得は、企業や団体に雇われて働くことによって得られる収入である。基本給、手当、賞与などが含まれる。
・ 課税方法：給与所得者は、源泉徴収制度により、給料から税金が自動的に差し引かれる。年末調整を行うことで、最終的な税額が確定する。
・ 経費：給与所得者は、必要経費を控除することが難しく、一般的には仕事に関連する直接的な経費しか控除できない。
・ 安定性：給与所得は比較的安定しており、毎月一定の収入が得られることが多い。
事業所得
事業所得は、個人が独立して営む事業から得られる収入を指す。以下のような特徴がある。
・ 収入源：事業所得は、自営業やフリーランスが行う事業活動から得られる収入で、売上や利益から得られる。
・ 課税方法：事業所得者は、自ら確定申告を行い、所得税を計算する。税額は、収入から経費を差し引いた利益に基づいて算出される。
・ 経費：事業所得者は、事業に関連するさまざまな経費を控除できる。例えば、材料費、設備投資、光熱費などが含まれる。
・ 変動性：事業所得は、事業の規模や売上に応じて変動するため、収入が不安定になることがある。
具体例を交えた違いの説明
例えば、サラリーマンが会社から受け取る給料は給与所得に該当する。その場合、会社が税金を源泉徴収し、年末調整で最終的な税額を決定する。一方、フリーランスのデザイナーが仕事を通じて得た報酬は事業所得となる。デザイナーは自ら確定申告を行い、必要な経費を控除した後の利益に基づいて税金を計算する。
簡単にまとめると：
・ 給与所得：雇用契約に基づき、勤務先から支給される給料や賃金。源泉徴収制度が適用され、経費控除は限定的である。
・ 事業所得：独立して行う事業活動から得られる収入。確定申告が必要で、多くの経費が控除可能である。
