旧約聖書と聖書は、いずれもキリスト教の宗教文書であるが、それぞれ異なる範囲と内容を持つ。以下にその違いを説明する。
旧約聖書
旧約聖書は、キリスト教の聖典である「聖書」の一部であり、ユダヤ教の聖典でもある。以下の特徴がある。
・ 定義:旧約聖書は、キリスト教とユダヤ教における宗教的文書の集まりで、創世記からマラキ書までを含む。ユダヤ教では「タナハ」として知られる。
・ 内容:神の創造、預言者たちの言葉、律法(モーセの律法)などが含まれる。旧約聖書には歴史的な出来事や神の教え、倫理的な教訓が描かれている。
・ 構成:主に歴史書、詩篇、預言書、法典などの文書から成る。主要な書としては、創世記、出エジプト記、詩篇、イザヤ書などがある。
・ 位置づけ:キリスト教の聖書の一部として、新約聖書と組み合わせて使用される。ユダヤ教では旧約聖書のみを聖典とする。
聖書
聖書は、キリスト教における宗教的な文書の全集であり、旧約聖書と新約聖書を含む。以下の特徴がある。
・ 定義:聖書は、キリスト教徒が信じる神の言葉を記した文書で、旧約聖書と新約聖書の二部から成る。新約聖書は、イエス・キリストの生涯や教えを中心に構成されている。
・ 内容:新約聖書には、イエス・キリストの生涯、使徒たちの活動、教会の初期の歴史などが記されている。福音書、使徒行伝、書簡、黙示録などが含まれる。
・ 構成:旧約聖書の内容に加え、新約聖書として、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる福音書、使徒行伝、パウロ書簡などが含まれる。
・ 位置づけ:キリスト教徒にとっての完全な聖典であり、旧約聖書と新約聖書を合わせて、神の言葉を形成している。
具体例を交えた違いの説明
例えば、旧約聖書にはモーセによる律法や預言者の言葉が含まれており、ユダヤ教の教えの基礎となっている。一方、新約聖書にはイエス・キリストの生涯や教えが記されており、キリスト教の信仰の中心を成す。したがって、聖書全体を通じて、キリスト教徒は旧約と新約を合わせて神の意志を理解しようとする。
簡単にまとめると:
・ 旧約聖書:旧約聖書は、キリスト教とユダヤ教に共通する宗教文書で、創世記からマラキ書までを含む。
・ 聖書:聖書は、旧約聖書に加え、新約聖書も含まれるキリスト教の完全な宗教文書である。