現物と先物は、主に金融商品や取引の種類を表す用語であり、取引のタイミングや内容に違いがある。
現物(現物取引)
現物取引とは、実際の商品の売買を指す取引方法で、実物が存在し、即座に取引が成立する。金融商品では、株式などの証券を実際に購入し、保有することを意味する。
・ 定義:現物取引は、実物の商品の売買や、実際の証券の購入を行う取引形態である。
・ 特徴:取引が即時に成立し、実際の商品や証券を保有する。価格は取引時点の現行価格が適用される。
・ 例:株式を現物で購入すること、または実際に物理的な商品の売買を行うこと。
先物(先物取引)
先物取引とは、将来の特定の時点における商品の購入または売却を約束する取引であり、将来の価格を現在の時点で取り決める。主に金融市場では、将来の価格変動を予測して投資する手法が用いられる。
・ 定義:先物取引は、将来の特定の日に、事前に決めた価格で商品や金融商品を取引する契約を結ぶ取引形態である。
・ 特徴:将来の価格を現在決定し、実際の商品の受け渡しや決済は契約時点の未来に行われる。価格変動に対するリスクヘッジや投機が主な目的となる。
・ 例:農産物や石油の先物契約、または金融先物商品を取引すること。将来の価格での取引を行うため、価格が大きく変動する可能性がある。
具体例を交えた違いの説明
例えば、小麦の現物取引では、小麦を実際に購入して保有するのに対し、小麦の先物取引では、将来の特定の日に事前に決めた価格で小麦を売買する契約を結ぶ。現物取引は即時の売買、先物取引は未来の価格を決定することで、価格変動リスクに対する対策や投機が可能である。
簡単にまとめると:
・ 現物:実際の商品や証券を即時に売買し、保有する取引形態。
・ 先物:将来の特定の日に決めた価格で商品や金融商品を取引する契約を結ぶ取引形態。