こしあんとつぶあんは、いずれもあんこ（甘い豆のペースト）であり、主に和菓子に使われるが、その製法や食感には明確な違いがある。
こしあん
こしあんは、赤豆（主に小豆）を使ったあんこで、滑らかで均一なペースト状の食感が特徴である。
- 原料：こしあんは、主に小豆を煮てから、皮や豆の粒を取り除き、細かく裏ごしして作る。これに砂糖を加えて甘くする。
- 特性：こしあんは、滑らかでクリーミーなテクスチャーが特徴。豆の皮や粒が取り除かれているため、非常に均一で口当たりが良い。
- 用途：こしあんは、和菓子の中でよく使用される。例えば、大福餅、最中、あんぱんなど、滑らかさが求められる和菓子に用いられる。
- 製法：豆を煮てから、皮を取り除くための裏ごしが行われる。細かく裏ごしすることで、なめらかな食感を実現する。
つぶあん
つぶあんも、赤豆（小豆）を使ったあんこで、豆の粒が残るため、テクスチャーがより粗い。
- 原料：つぶあんは、小豆を煮て、皮を取り除かずにそのまま利用する。これに砂糖を加えて甘くする。
- 特性：つぶあんは、豆の粒が残っているため、ざらっとした食感と、豆の風味が感じられる。クリーミーさは少ないが、豆の食感が楽しめる。
- 用途：つぶあんは、和菓子だけでなく、パンのフィリングや、餅の中に入れるなど、豆の食感を楽しむ料理に使用される。例えば、こしあんよりも粒感を楽しむ和菓子や料理に使われる。
- 製法：豆を煮た後、皮を取り除かずにそのまま利用し、砂糖で甘味をつける。豆の粒が残るように煮詰める。
具体例を交えた違いの説明
例えば、大福餅に使用されるあんこは、滑らかな口当たりが求められるため、こしあんが使われることが多い。一方、こしあんのような滑らかさではなく、豆の粒感が楽しめるようにしたい場合、つぶあんが使用される。つぶあんを使った和菓子やパンは、豆の粒が感じられることで、食感にバリエーションを持たせることができる。
簡単にまとめると：
- こしあん：豆の皮や粒が取り除かれた滑らかなあんこで、クリーミーな食感が特徴。主に滑らかさが求められる和菓子に使用される。
- つぶあん：豆の粒が残る粗い食感のあんこで、豆の風味と食感を楽しむ料理に使用される。
