慣用句と成句は、いずれも言葉の使い方に関する表現であるが、それぞれに異なる特徴がある。
慣用句
慣用句は、ある特定の意味で使われる言い回しであり、語句が組み合わさって固定の意味を成す表現方法である。
・ 定義：慣用句は、言葉が特定の文脈で決まった意味を持ち、一般的にそのままの形で使用される表現である。
・ 特徴：語句が組み合わさることで意味が形成され、通常はそのままの形で使用される。意味が直訳できない場合が多い。
・ 例：「目を見張る」「耳が痛い」など。これらの表現は、直訳すると意味が分かりにくいが、実際には「驚く」「不快に感じる」という特定の意味を持つ。
成句
成句は、文章や詩などで一定の形に組み合わさった言葉であり、固定された言い回しや決まり文句を指す。
・ 定義：成句は、特定の形に整えられた言葉であり、文学や詩、スピーチなどでよく使用される表現である。
・ 特徴：語句が決まった形で使用されることが多く、表現が形式的である場合が多い。意味は明確で、通常は比喩的に使われる。
・ 例：「温故知新」「青天白日」など。これらは文学やスピーチでよく使われる決まった形の表現であり、特定の意味がある。
具体例を交えた違いの説明
たとえば、「口を酸っぱくする」という表現は、慣用句として使われるものであり、何度も同じことを繰り返す意味を持つ。一方で、「千載一遇」は成句として用いられ、非常に珍しい機会やチャンスを指す。慣用句は日常会話で自然に使用されるのに対し、成句は文学的な表現や公式な場面で使われることが多い。
簡単にまとめると：
・ 慣用句：特定の意味を持つ固定された言い回しで、直訳できない場合が多い。
・ 成句：決まった形の言葉で、文学や詩で用いられることが多く、意味が明確である。
