確定給付と確定拠出の違い

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「確定給付」と「確定拠出」は、退職金や年金制度に関する異なるタイプの制度であり、それぞれの特徴や仕組みには大きな違いがある。以下にそれぞれの特徴を説明する。

確定給付


確定給付(Defined Benefit、DB)制度は、従業員が退職後に受け取る年金や退職金の額が、事前に定められている制度である。この制度では、企業が退職後の給付額をあらかじめ設定し、従業員の退職時にその額を支給することが保証されている。

確定給付の主な特徴は以下の通りである:
・給付額:退職後に支給される年金や退職金の額が事前に決まっており、従業員はその額を受け取ることが保証される。
・リスク:給付額の変動リスクは企業が負担するため、従業員にはリスクがない。
・計算基準:給付額は通常、退職時の給与や勤務年数に基づいて計算される。
・運用:年金資産の運用責任は企業が負い、運用結果に基づいて必要な資金を準備する。

例えば、退職後に毎月一定額の年金が支給される制度では、従業員は定められた額を確実に受け取ることができる。

確定拠出


確定拠出(Defined Contribution、DC)制度は、従業員や企業があらかじめ定めた額を年金資産に拠出し、その後の運用成果に基づいて退職後の給付額が決まる制度である。この制度では、給付額は拠出額とその運用結果によって変動する。

確定拠出の主な特徴は以下の通りである:
・拠出額:従業員や企業が毎月または一定期間ごとに決まった額を拠出する。
・リスク:年金資産の運用リスクは従業員が負担するため、給付額が変動する可能性がある。
・運用:拠出された資産は、個人の選択に基づいてさまざまな金融商品に投資され、運用成果が反映される。
・給付額:運用成果によって年金額が変動し、最終的な給付額は投資成績に依存する。

例えば、毎月一定額を年金口座に拠出し、その資産を運用していく制度では、運用成果によって退職後に受け取る年金額が変動する。

具体例を交えた違いの説明


例えば、確定給付型の年金制度では、退職後に毎月10万円の年金が支給されると事前に決まっている。一方、確定拠出型の制度では、毎月5万円を年金口座に拠出し、その運用結果によって退職後に受け取る額が決まる。運用が好調であれば多く受け取れるが、運用が不調であれば少ない額になる可能性がある。

簡単にまとめると:


・確定給付:退職後の給付額が事前に定められており、企業がリスクを負担する。
・確定拠出:拠出額は決まっているが、給付額は運用成果に依存し、リスクは従業員が負担する。

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