皆既月食と皆既日食の違い

-　詳しい解説　-

皆既月食とは、地球によって太陽が完全に隠されてしまう状態の月食のことである。皆既食とも呼ぶ。月食とは地球、太陽、月の順に一直線に並んだために地球の影が月にかかって暗くなり、月が欠けたようにみえる現象である。また、地球の大気によって太陽の光の中でも長い波長を持つ赤色の光が屈折、散乱して影の中に入るため、皆既月食のとき月は赤銅色に見える。

一方皆既日食とは、太陽、月、地球の順で一直線に並ぶために、太陽が月によって覆われる日食の中でも、特に完全に太陽が完全に隠れてしまう現象を皆既日食という。月の周回軌道と地球の公転軌道は楕円形であるため、地上から見た太陽と月の直径（視直径）は常に変化している。月の視直径が太陽よりも大きく、太陽がすっぽりと覆われる場合が皆既日食である。逆に月の視直径が太陽よりも小さい場合、月の黒い丸の周りに太陽の光輪状が見え、これを金環日食と呼ぶ。

近代天文学以前は、世界各地で日食や月食を説明する神話が語り継がれてきた。日本では天照大神の天の岩戸の神話が日食を表すという見方がある。